「兵庫経協」 2025秋号

Q4. 関税や地政学的リスクなど、先読みが難しい情勢ですが、今後の展望をお聞かせください。 今、日本は人口が減少する時代を迎えています。 そして、減りだした人口の減少ペースは急激に回 復することは難しく、10~20年先までの人口の推 移は現時点で予測されているものと大きく変わる ことはありません。社会構造の大きな変化に対応 することは大変なことですが、自販機事業はIoT を導入することでリアルタイムに売上データを把 握することが出来るようになり、AIを導入する ことで収集したデータの分析や予測の精度も大幅 に向上させることが出来るなど生産性を改善する ことが可能な事業です。また、人口が減少する時 代でも、人が集まる場所がある限り、自販機だか らこそ設置できる場所、利便性を感じていただけ る場所は必ず存在すると思いますし、様々な商品 の販売ツールとして自販機が必要になる場面も来 るように感じます。そうした時に、求められる サービスをしっかりと提供できるような体制づく りを心掛けていきたいと考えています。 当社では清涼飲料水を販売する企業としてフードロスに繋がらないように、自販機の庫内在庫が過剰 にならないように注意しつつ、生産性を高めるために自販機の最適訪問、最適納品を追求するよう心が けています。加えて、最近では売上の少ない自販機は商品廃棄が多くなる傾向にあることから、当社か ら自販機の引揚げのお願いをするという活動も行っております。また飲料容器のリサイクル事業への取 り組みとして、兵庫県内の同業者のみなさんと共同出資という形でルシク ラージュ株式会社も設立しており、当社の自販機にて販売している清涼飲 料水の容器の大半は「ボトルtoボトル」、つまり新たな清涼飲料水の容器 へとリサイクルされております。 さらに昨年から、アサヒ飲料様が取り組んでいる「CO2を食べる自動販 売機」の運営にアライアンス企業として当社も関わっています。「CO2を食 べる自販機」は「都会の中に森を作る」をテーマに、自販機にCO2吸収材を 搭載することで、稼働電力由来のCO2を最大20%吸収するというものです。 また、回収したCO2吸収材もアスファルトや建材など様々な形での活用方 法が検討されており、社会に放出されてしまったCO2を生活者に身近なイ ンフラにもなっている自販機で回収・循環させ、1つ1つの小さな事業活動 を環境に良いものに変えていくカーボンリサイクルを推進しています。 考えることを通して成長できる「人を育てる」環 境を作れているかということです。人は様々な経 験をし、その都度創意工夫を行うことで技術的に も精神的にも成長していくことが出来ます。子供 の頃は学校の授業や友達との遊びを通して様々な 経験を積んでいくことが自然と出来ますが、大人 になってからは自ら意識をしてそうした成長でき る環境を周りに作っておかなければ、子供の時の ような経験を積むことは簡単ではありません。当 社では、それぞれの業務の中に創意工夫を盛り込 める余白を残すことを意識し、一人一人が業務の 中で考えることを通して成長できる環境を整えた いと考えています。また、そうした後押しが出来る ような人事評価制度の構築にも取り組んでいます。 Q3. 本コーナーでは、必ずお伺いしているテーマですが、 SDG'sに関する貴社の取り組みをお聞かせ願えますか。 Lookat the 企業 7 兵庫経協2025年秋号

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