「兵庫経協」 2025秋号

政府目標の改訂と背景 政府は昨年、「2030年代半ばまでに全国平均の最低賃金を1,500円と する」という目標を、より早期に達成する方針へと改めました。これは、 石破首相が総裁選で掲げた「2020年代に全国平均1,500円を実現する」 という公約を反映したものです。 この公約に基づき、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行 計画2025改訂版」および「経済財政運営と改革の基本方針2025」が改訂 され、「2020年代に全国平均1,500円」が明記されました。 中央最低賃金審議会の目安額とその根拠 中央最低賃金審議会(目安審議会)は、政府目標に対応する形で、7%台の引き上げを示すことが予想さ れていました。しかし、実際には6%増(63円)の目安額が提示され、審議会の独立性が改めて示される結 果となりました。 ○目安額の根拠について 一昨年:消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合) 昨 年:消費者物価指数(頻繁に購入する品目) 今 年:春季労使交渉の賃上げ率や消費者物価指数など、政府目標の7%や6%を直接裏付ける指標や明確 な根拠は示されませんでした。 結果として、総合的な判断による目安額となりました。 兵庫は目安に1円上乗せで決着 兵庫県の地方最低賃金審議会専門部会では、5回にわたる審議が行われましたが、労使間で合意には至 りませんでした。そのため、昨年同様、公益委員の見解に基づいて採決が行われました。 公益委員は以下の点を踏まえ、目安額に1円を上乗せする案を提示しました。 労働政策ニュース 特 集 兵庫県最低賃金は1,116円です 64円増額で10月4日より適用、県内3割の労働者の賃金改定が必要です。 特定(産業別)最賃は、12月1日より6業種が増額します。 2 兵庫経協2025年秋号

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