昨年は2022年からの物価上昇を受け、30年ぶりの賃上げを記録した2023年を上回る賃金引上げ率 となりました。 今年の春季労使交渉は、米国の第2次トランプ政権の影響等、景気の先行きに不透明感が増す中で 賃金引上げの流れが定着するか重要な労使交渉となります。 兵庫県政労使会議 昨年より厚生労働省は、賃上げを主なテーマとした 「地方版政労使会議」の開催を全ての都道府県に呼び かけており、兵庫県では2月5日に兵庫県庁において、 連合兵庫、当協会を含む経済4団体、兵庫県、兵庫労働 局が意見交換を行いました。 この政労使会議では、当協会成松会長より次のとお り当協会の基本スタンスの説明がありました。 経団連の『2025年版経営労働政策特別報告委員会報告』は、賃金引き上げと総合的な処遇改善は、単なる コスト増ではなく、働き手のエンゲージメントを高め、イノベーション創出等、企業にとって生産性向上 のための不可欠の投資であるとして、「賃金・処遇決定の大原則」を主張していますが、この報告を作成す るにあたり事前に全国の経営者協会から寄せられた意見の多くは次の3点であった。 1)中小企業の労働分配率は7~8割に達しており、賃上げ余力 が非常に乏しい。 賃上げには生産性の向上といった自己努力のほか、価格転 嫁が必要であるが、労務費の価格転嫁が進んでいない。 2)労働者不足について、地方では外国人労働者がいないと事 業が成り立たないという実態がある。 3)最低賃金については、石破政権が2030年に1,500円にすると しているが、毎年70~80円引き上げることになる。 これは最低賃金法第9条第2項に求められた条件(労働者の 生計費、賃金、賃金支払能力を考慮)に反する。仮に毎年70 ~80円を10月時点で引き上げられると、春の賃上げをどう 考えるべきか、中小企業にとって非常に大きな問題となっ ている。 (今年も政労使会議において共同メッセージを発表しました。) 労働政策ニュース ~2025年春季労使交渉に臨む兵庫経協のスタンス~ 特 集 2 兵庫経協2025年春号
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